近年、「推し」、「推し事」、「推し活」、「箱推し」、「単推し」など様々な推しに関する言葉や現象が生まれている。私の身の回りでも、推しのライブやグッズのためにお金を注ぎ込むや、何があっても信じ続けると言った精神的支柱にしている人が多い。これは数年前には言われなかった現象である。
そこで、この”推し”という現象が生まれた背景、現状、今後を考察したいと思う。
まず推しが生まれた背景であるが、これはオタク文化が元になっていると考える。1980年頃から生まれたオタク文化は、元々は内向きなものであった。コンプレックスや劣等感を元に、現実世界であまり満足感を得られない人々がオタク活動に励んでいたイメージである。
しかし近年はそのイメージが大きく変わり「推し」として変容していると考える。元々はネガティブなイメージが強かったが、「推し」という言葉を元にポジティブなものに変換されている。
これは若者の現実世界からの退却が大きい。昔よりも、若者の性愛、友愛を中心とした現実活動は低下しており、そのエネルギーが推しとして変換されていると考える。
推し活動の要因が現実世界からの退却、その主な要因がIT技術の急激な成長であると考えると、今後も推しは市民権を得続けると考えられる。
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